最近知ったこの本

岡本太郎の東北

岡本太郎の東北

岡本太郎さんが、1950年代から60年代に東北ー秋田・岩手・青森ーを訪れて撮った
モノクロームの写真と文章。
岡本太郎を好きではなかった川端康成がこれはすごい本だと褒めたらしい
「忘れられた日本ー沖縄文化論」

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

を読みたくて探していたら出会った本です。
岡本太郎が東北について語ったり撮ったりしていたことを全く知らなかった。
考えてみれば、縄文土器に触発された方なのだから当然なのですが。
そしてさらに、こんなに言葉を素晴らしく巧みに使う方だとはこれもまた知らずにいた。
あとがきに飯沢耕太郎が『「東北」に対する紋切り型の言い回しー暗く、寒々とした風土、そこに生きる粘り強い人々といった表現には反発を感じてしまう。だが、岡本の写真と文章に関して言えば、そのような大量に流通するステレオタイプな東北観とは、一線を画している。』と長居引用になりましたが、書いている、その通りを感じた。自分もまた、ステレオタイプな東北観を持っていたことを、最近になってやっと気づいたこの時に、出会えたことを感謝したい。自分なりの東北を思い考えていくうえで、道を示してくれる一冊であるように思う。